私は、他の人よりも多くの卒業を経験してきたと思います。
まずは、自分の幼稚園。
小さかったからか、寂しいとか悲しいと言う感情はまだ無かったみたいですね。
ただ、大好きだったマリアさまと会えなくなるのが嫌だなぁと思った気がします。
小学校から短大までは同じ学校だったので、校舎が隣に移ったりするだけだったのですが、
感受性が豊というか、その気になり易いというか、なぜか予行練習から
仰げばとおとしや蛍の光で感極まって、当日は必ず号泣していました(笑)
そして卒業式に付きものの、「伝説の第二ボタン」
残念ながら、私は女子高だったので大人になってから知りました。
一度くらい体験してみたかったですねぇ。
社会人になってからは、勤めた幼稚園で、毎年愛しい子供たちを卒園させてきました。
これもまた、これでもか!というくらい毎回号泣。
幼稚園の卒園式もずい分前から練習をします。
おわかれの歌を歌ったり、卒園ご挨拶、段々ジワジワと実感が湧いてきます。
でも考えると、自分も幼稚園卒園の感情など覚えていなかったのですから、
私の涙に子供たちはちょっと引いていたのかもしれませんね(汗)
最後の卒業式はコルドンブル―でした。
こちらに涙はありませんでしたが、前にお話したように卒業したくなくてしたくなくて・・・泣く泣く。
でも、丁度恩師たちがみなさんお辞めになるのも重なり、諦めがつきました。
最後の卒業パーティーはシェフたちが腕を揮ったホッペの落ちそうな美味しいお菓子や、
豪華な食材がこれでもかというお料理がたくさん!シェフ達や、共に学んだ友達と
今までの失敗や感激したお菓子の話しをしたり、本当に夢のようなひと時でした。
そう言えば、私がコルドンの入学する切っ掛けととなった
素敵なフランス人の料理コースのシェフもこの時でお辞めになられ、
エピソードこそお話できませんでしたが、ここで学べたことを心から感謝しました。
そして、至宝のレシピとシェフたちの熱いスピリッツと忘れられない味を
しっかり胸に抱いて一歩を踏み出しました。
その他にも、携わったお仕事を辞める度に出会いとお別れはあるのですが、しつこい性格なのか、
思い込みが激しい性格なのか、ずーっと連絡を続けさせてもらっている人たちがたくさんいます。
そのひとりひとりが私の大切な宝物であり、
人生であり、ぬくもりであり、損得抜きの問答無用です!(笑)
今いるコーヒー屋さんのお客様の中にも出会いとお別れがあります。
常連さまだったのに定年と共に田舎暮らしをするので来れなくなるけれど、預けておいた
マグカップはまたいつか来るかもしれないから残していくよ、と言ってくださったF様。
お引越しをされて、もう会えなくなるとわざわざご挨拶にいらしてくださったおくさん。
お子さんのお稽古の待ち時間で来ていたけれど、場所が変わってしまうから残念だわと
お話してくださったママさん。
たかがコーヒー屋、されどコーヒー屋、なんだか嬉しいエピソードです。
そしてこの度、この場所も一旦卒業(おわかれ)ということになりました。
最後はドドーン!!とゴージャスなメニューでいこうかなとも思いましたが、
これでピリオドでは無いと信じているので、いつも通り私らしく
おうちのキッチンで楽しくノリノリワクワクで作れるメニューでいこうと思います。
と言ってもクリスマス。
とびっきり可愛くて、ムチャクチャ美味しくて、
どーしても作りたくなってしまうお菓子をご紹介いたします。
今月の作りたい食べたいだいすきなお菓子
『 ビュッシュドノエル 』
ビスキュイ ジョコンドは薄くても弾力があり、しっかりしているので
ロールした時も崩れずきれいに仕上がります。
卵、卵黄に粉砂糖を加え、ホイッパーでマヨネーズ状になるまでよく擂り混ぜる。
薄力粉、抹茶、アーモンドパウダーをビニール袋に全て入れ、フリフリしておきます。
マヨネーズ状のものに一度に加え、ゴムベラで粉っ気が無くなるまで混ぜる。
別ボウルに卵白を入れ、砂糖を数回に分けて加えながら、メレンゲを作る。
オーブン余熱210℃スタート!
粉物を混ぜた生地にメレンゲをつぶさない様に混ぜ、天板にシートを敷き、
生地を流し入れ平らに均したら200℃のオーブンで10分ほど焼きます。
焼きあがったら、網の上で粗熱を冷まし、ラップでふんわり包んでおきましょう。
クレームオブールはバタークリームです。
初めはちょっぴり面倒くさいかもしれませんが、
美味しくいただくことを想い浮かべて・・・Let’s try!
バターは常温に出しておき、ポマード状にします。
次にきれいなボウルに卵黄を溶いておきます。
砂糖と水を鍋に入れ、118℃まで温度を上げたら火から下ろし、
卵黄ボウルに極少量づつ流しいれながら、ホイッパーでひたすら混ぜます。
どんどん混ぜて、マヨネーズ状になるまで休まず!!
完全に温度が下がるまで混ぜたら、バターを3回くらいに分けて加え、
その都度よく混ぜてからフランボワーズピュレを加えて混ぜる。
組み立ては・・・ジョコンド生地の上にバタークリームを平らにぬり、
ロールケーキの要領で端から巻いていく。冷蔵庫で冷やし固めます。
デコレーションにはシュークリームの生地をメッセージや
クリスマスアイテムの形に搾り出し、低温で焼きましょう。
後は好きなアレンジで・・・
そして必ず冷蔵庫で冷やしてからお召し上がりくださいね。
クレームオブールをつかっているので、普通の生クリームやカスタードとは違い、
口溶けが時間差で来て、フランボワーズの酸味がじっくり味わえます。
このお菓子は、以前横浜元町の近くでショップを開いていた友人に依頼され、
お店のクリスマスパーティーの際デザートとして皆さんに食べていただいたものです。
実は、そのパーティーはM笛楼さんで開催したのですが、特別持ち込みを許可いただいたのでした。
着物着用のパーティーだったので、当日は和風にアレンジしてクロモジで召し上がっていただきました。
クリスマスだけでなく、お正月の来客時にも是非お出ししてみてください。
ということで、無事最後のメニューの紹介が終わりました。
あ~、ナンのカンの言っても、暫くのお別れに寂しさがこみ上げてきてしまいます(涙)
こちらの仲間に入れていただいてから、私のページを見てくださっている方たち、
それから今まで顔も名前も知らない方たちと出会い、
その方たちを想いながら毎回記事を書きお菓子を紹介させてもらい、
本当に楽しかったです。お菓子のお仕事をしていて良かったなぁとつくづく思いました。
そして、これはひとつのお別れであっても、ひとつの継続の始まりですし、
これからもよろしく・・・なのです。
また会う日まで、楽しいだいすきなことをい~っぱいプールしておきますね。
その日まで、みなさんにも心温まる素敵なことが沢山ありますように。
だから私は みなさんに ありがとう
追伸 そして
スタッフのみなさんにありがとう
Qumico
東京都出身。
短大卒業後、幼稚園勤務。
しかし、父の誕生日に作ったガチガチなバースデーケーキや、母が犠牲になり大量に食べる羽目になったペチャンコシュークリームetcにピリオドを打つべく『ル·コルドン·ブルー』の門を叩き、シェフ達の職人スピリッツと技を学ぶ。現在は、お菓子教室『Gâteau de pocheヌフトロワサンク』で教えながら、日夜おいしい笑顔を広げようとしている。
趣味: 自然観察 クロール 作ること何でも
Qumicoさんへの
お問い合わせはこちらから
ビュッシュドノエル | |
ビスキュイ ジョコンド | |
卵 | 1個 |
卵黄 | 1個 |
粉砂糖 | 25g |
薄力粉 | 20g |
抹茶 | 5g |
アーモンドパウダー | 25g |
砂糖 | 25g |
卵白 | 1個 |
200℃ 10分後 | |
クレーム・オ・ブール | |
卵黄 | 1個 |
砂糖 | 45g |
水 | 10g |
バター | 100g |
フランボワーズピュレ | 20g |
フランボワーズ | 適量 |
デコレーション | |
シュー生地 | 適量 |