東京都千代田区千代田1番地1号 皇居

師走かぁ。
12月は1年のシメ。
鍋のシメに雑炊があるように、最後はみんなで
ささやかなシアワセを分け合ってほっこり終わりたいよね。
終わり良ければ全てよし、みたいな。そんな空気感を感じたいよなぁ。
それってどこだろ・・・あ、あそこか!

■ こころ晴れ晴れ皇居散歩

千代田区千代田1−1。
東京のど真ん中。ずばり『皇居』でございます。

広大にして最強のパワースポット。
長い歴史と数々の逸話、神秘的な伝説までもが幾重にも交差し
一つ一つどれをとっても重要でデリケートで奥深い。
たかだかチンピラウサギ一匹が語れるような場所ではございません。

でもね、今回はそれを承知の上でご紹介。
だって、皇居はお散歩するだけで「キモチがイイ」から。
難しいコトもややこしいコトも、ココにはたくさんあるけれど
先入観よりも大事なのは感じること。
余計な情報よりも自分の感覚を大事にしなくちゃ。

ほら、今日は見事な冬晴れ。
寒冷前線も一休み。日なたはあたたかくて
まさにお散歩日和。うん、キモチいい!

スタートは旧江戸城の正門である『大手門』。
お城によっては追手門(おうてもん)と呼ばれて
防御のため厳重に、大きく、目立つように作られるそう。
ここを含めたいくつかの門からは東御苑の中を
参観出来るようにもなっておりますが、今回は各御門を
ポイントにみながら、お堀の回りをぶ〜らぶら歩きますよ。

皇居は1周が約5キロ。
いつでもたくさんの方がジョギングをしております。
程よい距離と治安の良さ、なによりこの心地良さが
有酸素運動に最適なのでしょうね。
ジョガーは反時計回りに走るのがルールのようですが
ワタクシたちはきちんと時計回りに進んで参りましょう。

美しい姿の「桜田二重櫓」を曲がるとその先にあるのが
内桜田門とも呼ばれる『桔梗門』。
その昔、この門の瓦には江戸城を築城した太田道灌の家紋である桔梗が
ついていたことから桔梗門と呼ばれるようになったとも伝えられております。
“江戸城”と呼ばれていた時代にタイムスリップしそう。

桔梗門の前は大きく開けた広場。
高いビルに囲まれているのに、こののびのびとした開放感ったら。
今日は空もぐーんと高くて真っ青だし、自分が円の中心にいるような
不思議な感覚。ほんとうに気持ちいいなぁ。
これだけでもすっごいパワーチャージになるよね。

さらに進めば『坂下門』
先に見える緑の屋根は宮内庁。晩餐会などが行われる宮殿もあるため
関係車両の出入りも多い場所でございます。
「坂下門外の変」って何だっけ?などと不勉強を恥じながら
学生時代をちょこっとを思いだしたりして。


そして皇居の真南。いよいよ現在の正門でございます。
皇居と言えば、二重のアーチが美しい「二重橋」。
誰もがこの橋を思い浮かべますよね。

しかぁし!
アーチ型のこの橋、実は二重橋ではございません。

正式名称は「皇居正門石橋」。
では、「二重橋」はどこか?と申しますと、正門石橋の奥。
伏見櫓の手前に見えるあの橋が、架橋時には木の橋を
二重に重ねて作ったため「二重橋」と言われていたそう。
現在は鉄製に変わったので正式名称は『正門鉄橋』
つまり、「二重橋」って、現在はもうないんですねぇ。
知らなかったなぁ。
それでも、ココが最大の観光スポットなのは
間違いございませんよ。

堂々とした『桜田門』。ここは通り抜けが出来ます。
桔梗門の内桜田門に対し、こちらの桜田門は外桜田門。
2つの門からなっていて「第一の門/高麗門」を通るとまずは枡形の空地。
そこを右折すると「第ニの門/渡櫓門」となります。
桜田門と言えば「桜田門外の変」。コレは覚えておりますよ。
建物は何も語らないけれど、場所にだってキオクはあるんじゃないかな。
そんなこと思いながら門に触れてみたりして。

桜田門から桜田壕沿いの道は都会と自然のバランスがとてもキレイ。
皇居には、植物を愛した昭和天皇が武蔵野の雑木林を残そうと
様々な植物が植えられたそうで、貴重な昆虫や野鳥もたくさん生息しております。
桜田壕にも鴨や白鳥たちがのんびりと集っております。
絶滅危惧種の水草ツツイトモが大量発生して話題にもなりましたね。

しばらく歩くと『半蔵門』に到着。
半蔵門の名前の由来は、徳川の警備を担当した
お馴染みの伊賀忍者、服部半蔵から。
皇族方の日常の出入り口なので
一般人の通行はもちろんできません。

門内は吹上御苑と呼ばれ、天皇陛下のお住まいである御所や
吹上大宮御所(かつての香淳皇后の住居)、生物学御研究所
陛下が御田植えをする水田、そして宮中三殿などがあります。


宮中三殿は、賢所(かしこどころ)、皇霊殿(こうれいでん)、神殿(しんでん)
という三つの神殿の総称。ある意味「皇居のキモ」でございます。
ここでは、1年365日、掌典と呼ばれる神職と、内掌典と呼ばれる巫女が
1日も欠かさず祭祀を行い、清め護っていると言います。
天皇陛下をはじめとした皇族方も、数こそ公にはされておりませんが
相当数にのぼる祭祀をなさるそうでございます。
皇祖皇宗、あるいは歴代天皇に向かって祈られるのでございますが
なんのために祈るかというと「五穀豊穣と国民の平安」。
つまり「民安かれ」と祈るのでございますね。

ワタクシたちが神社で縁結びや商売繁盛を祈るとはワケが違います。
神聖な場であるため参殿するには厳しく潔斎し、昔ながらの伝統に則り
冷暖房もない中で、長い時には丸一昼夜にわたる祈りを続けられるそう。

皇后陛下は若き日に「皇室は祈りでありたい」と語っておられます。
また、元東宮大夫の鈴木菊男には「ある事態が起きたとき
最上の解決法を決めるのは“国の叡智”だけれど、皇室の役目は
“善かれかし”と祈り続けることではないか」と話したそうでございます。

場所の「気」とは、自然条件や方位占術などから
算出することも出来ましょうけれど、
人が暮らす場であるならば、やはりそこに住まう者の
発するに寄るところも多いのではないか。
そのように思うのでございます。
この日は、龍のような雲が這うように中へ
延びて行くのが印象的でございました。

『半蔵門』から先は桜で有名な千鳥ヶ淵公園。
この季節は紅葉を楽しめます。
皇居の回りは五感のごちそうだらけ。
目には鮮やかな色彩の樹々。枯れ葉を踏みしめる感触と音。
風の中に混じる初冬の香り。
しばし立ち止まって自分の感覚を楽しめば、体中の細胞に
じんわりとエネルギーが満ちるようでございます。

乾の方角にある『乾門』を過ぎると
天守閣北の本丸大奥から外部に直接通じる『北桔橋門』。
その先が江戸城の裏門『平川門』。
ここは大奥に最も近く大奥女中達の出入りする通用門であり
御三卿(清水・一橋・田安)の登城口でもあったようです。

『平川門』は別名不浄門とも言われ
罪人や遺体はここから出されたそうでございます。
忠臣蔵で有名な赤穂藩主・浅野内匠頭も
刃傷沙汰を起こした大罪人として平川門から出されたと言います。

この3つの門は皇居の裏側(北)にあたるせいか
なんとなく澱みのような、ちょっと重い気が感じられます。
だから、コチラ側を不浄門としたのでしょうけれどね。

平川門を過ぎればスタート地点の『大手門』へと戻ります。
手前の大手壕緑地では黄金色に輝く見事なイチョウの樹に目をひかれました。
その名も「震災イチョウ」。
説明板によれば、関東大震災による焼失を奇跡的に免れたことから
名付けられたそうでございます。

1923年(大正12年)9月1日、関東大震災が発生。
東京市中は猛火に見舞われ、麹町区一ツ橋にあったこの樹の周辺はほぼ全部焼失。
このイチョウだけが表面の一部が炎と高温で変質するも焼失は免れた。
以降「帝都復興のシンボル」として注目を集め、復興に伴う区画整理で伐採の危機もあったが、この地に移植された。
(説明板より抜粋)

東日本大震災のあった今年、同じように1本だけ残った松が
「復興の1本松」として人々を勇気づけたのを思い出します。

88年前、東京でも大きな地震があり、復興があって今がある。
今は大変かもしれないけれど、いつか必ず復興するよ。
イチョウはそんなメッセージを伝えてくれたように思います。

ぐるり皇居を回ってきて、たくさんの「良い気」と「パワー」を
たっぷり頂いたワタクシが最後に出会ったのは
陽光を浴びて力強く立つ「震災イチョウ」でございました。
他の季節ならば見過ごしていたかもしれないのに
こんなお導きが頂けるのも、場が持つ力なのかも知れませんね。

2011年。
みなさまはどのような年でしたか?
世界も日本も、いろいろな変化があり
そして変化しなくてはいけないコトを突きつけられた
そんな年だったように思います。

ワタクシも、さらに見聞を広め、よりパワーアップして
再び皆様にお目にかかれることを願っております。
3年間アリガトウゴザイマシタ。


パレスホテルの隣にある和田倉門噴水公園もとってもキモチイイ場所。
水をふんだんに使ったモダンなデザインで、マイナスイオン浴びまくり。
横の黄葉の並木道では、皇居から出てきた馬車が通り過ぎて行くのが見えたりして、
優雅な午後の一時を過ごせそう。
休憩所のウッドデッキは広々してお日様いっぱい。
自販機が隠れる設計になっているのも和みポイント高し。
併設されているレストランでは、全面ガラス張りの店内から
噴水越しに皇居を眺めながらお食事出来るので
ウェディングにも使用されるんだって。
視覚、聴覚、嗅覚、触覚は十分味わったけど、五感には味覚も必要だもんね。
ウォーキングたっぷりしたし。平日限定ランチタイムブッフェでリッチに食べまくるぞ〜♪
(最後までオマエは癒しじゃなくてイヤシい・・修行して出直してこい by 天の声)