生きるか死ぬかの崖っぷち、
ピンチの時にジョークを飛ばすアメリカンムービーのヒーローを観ていて、
「こいつアホちゃうか？」と思いながらも、
質は違うけど似たような余裕をかますのがオツだと思っているのが関西人。
笑いとオチが決まらない会話をする奴なんて「あたま悪いんちゃうか？」と思っている。

フランスの恋愛映画を観ていて、いつヒーローが現れるのかと心待ちにしていたが一向に現れない。
ま、まさか、あのハゲ男がヒーローだったの？…と気づいた頃に映画は終わっていた。
うそでしょう？　恋愛映画に登場するヒーローがハゲでは、まったく感情移入できないじゃないか。
潔いスキンヘッドではなく、後頭部ハゲ、あるいは未練たらしい薄毛である。
それはないでしょう、と日本女性は思う。一方、西欧の女性はハゲに寛容。
ハゲにも人権はあるが、せめて恥らうくらいの謙虚さと知性は欲しいものだ。

世界中を旅したいと思っていた。
価値観というか性行は、環境によって作られるんじゃないか、
その不可解な言動を理解するには現地に赴いたほうがよかろうと思ったのだ。
そして世界中でいっぱい恋も体験した…と、言いたいところだが、タイトルどおりその大部分は妄想だ。
妄想は心身のために大いによろしい。
生き永らえていくほどに、現実は容赦なく厳しくなってもくるけれど、
過酷な現実は正攻法で受けとめるよりも、
妄想で色付けしたほうが楽しくってよろしい。
ただし、妄想し続けるには案外高度なテクニックがいるのですよ。

今回が「妄想女子たちのC’est la vie」最終回となりました。
長い間ご愛読ありがとうございました。
また新たな妄想ストーリーをいつか、どこかで！