ノ−ベル平和賞を受賞したワンガリー・マータイさんのおかげで、
日本の『もったいない』はMOTTAINAIとなって世界に発信されています。
でもこの『もったいない』という気持ちは英語にもあります。
英語で一番近いのは Waste not, want not!
ではないでしょうか。
まだ十分に使えるものをポイ捨てしようとする子供に年輩者が言うフレーズです。
もちろん What a waste!(まあ、なんという無駄!→まあ、もったいない!)とか
より直接的に Don’t be wasteful! (無駄はダメ!)と、言うこともできますが、 Waste not, want not! とソフトに言ってもらうと、
頭ごなしにヒステリックに怒られるのとはちがい、オバアチャンから『諭されている』ように感じ、
それだけ心の深いところに届きます。
この短いフレーズには: If we don’t waste what we have,
we’ll still have it in the future and will not lack (want) it.
今持っているものを無駄にしなければ、将来もそれはあるから、
なくなることがなくなり、欲しくなることもない。
という、深い知恵が込められているからです。
これを全部言われてしまうと、とても説教くさくて『エエイ!ステテシマエ!』と
思うヘソマガリもいるハズ。
だからWaste not, want not!と端的なフレーズになったのだと思います。
浪費家はwasteful person
反対に締まり屋は a tightfisted (げんこつをきつく握っていている) personです。
Frugal person とかthrifty personというと、
economizeをもっと進めてより積極的に支出を削り、節約するという意味が強くなります。
昔、手作りの家具職人と話をしたことがあります。
彼の作る手作り家具は美しいのですが、値段も高い。
それについて彼は: If you buy a well-made piece of furniture, you can use it for a long time---you can pass it onto your children. This makes spending a lot of money make a lot of sense. If you think about natural resources, about all the wood that goes into throw-away furniture, there are some advantages in buying something you can keep, something that does not swiftly turn into garbage.
(良質の家具は世代を超えて使えるので、購買時の金額は高くても、それを数世代にわたり『減価償却』すると考えれば、そう高くないハズ。それに使い捨て家具になって、数年後にはゴミとして処分されてしまう木材のことを考えると、すぐにゴミとして捨てられる運命にない物を買うことにも、意味があるのでは?)
と、話してくれました。
米国の企業が『Reduce, Reuse, Recycle/減量、再利用、リサイクル』の意識を高めるいろんなテレビコマーシャルを行った時期がありました。そのなかに:
Average home throws out over 90,000 pounds of trash in the lifetime. This sure sounds like a lot of stuff we don’t need. Do your best to reduce, reuse and recycle.
平均的な家庭では、9万ポンドを超える物を、一生のうちにゴミとして廃棄処分しています。こうして聞くと、本当に不必要なものがたくさんあるんですね。ゴミの減量、再利用。リサイクルに各自努めましょう。
9万ポンドは約4万キロ=40トン。大変な容量です。Waste not, want not!に努めたほうがよさそうです。