日本の伝統文化の一つ『風呂敷』。
その『正方形』の形は、平安奈良時代から変わっていません。
たった1枚の布切れでありながら、大きさ、色合い、柄、そして使い方
によって自由自在に変化する『風呂敷』は、リーズナブル、ユースフル、
その上、ビューティフルな優れもの。
エコバックが当たり前になった今こそ、私達の先人の知恵がいかに素晴らしいものか、
もう一度見直してみませんか?
このコーナーでは、シンプルだからこそ、アレンジひとつで、おしゃれな
アイテムに変身させることが出来る風呂敷の魅力をお伝えして参ります。
結ぶ 〜風呂敷包みの前に〜
“包む”には“結ぶ”という作業があります。
私は和装着付けを教えておりますが、
まず「結びの基本」がわからないお嬢様の多いことに驚きました。
かつては私も、着物の腰紐やエプロンを結ぶ時など、
『それは“たて結び”じゃないの』と、母に注意され、直された記憶があります。
“たて結び”は縁起が悪い、とも言われました。
さて、結び方の基本は2種類。
基本結びは風呂敷だけでなく、リボン結び・帯締め・靴ひも・ゴミ袋に至るまで、
色々な場面で使われています。
『そんなの簡単に結べるわよ!』とおっしゃる方も多いと思いますが、
もしかしたら何年も気が付かずに自分流結びをしているかもしれませんよ。
美しい結び方が出来ると、それだけで引き締まりますのでおさらいのつもりで、
是非もう一度見直してみて下さい。
まずは基本の一種類目「ひとつ結び」をご紹介します。
風呂敷でショルダーバックなどを作る時などに用いる結び方です。
出番の少ない結び方ですが、やってみましょう。
ひとつ結び |
2:左手に、前から後にくるっと人差し指中指薬指を巻きつけるようにして角を前に持ってくる。
3:手前に持ってきた角を右手の親指で輪の中に下から上に入れる。
※出す時のポイント→指使い人差し指と中指ではさんで角を引く。
4:根元と角の先端を上下に引く。出来上がり!