『体幹チューニング』開発者/須田達史さん
今回は、カラダとココロ、両面のコントロールが出来るという
『体幹チューニング』のご紹介です。
シンプルで、誰にでも分かりやすく、しかも短時間で確実に効果を実感出来るという、
驚きの身体調律メソッドを、開発者の須田達史さんに伺いました。
Q.早速ですが、体幹チューニングとは、
どのようなメソッドなのでしょう
『体幹チューニング』とは、腹圧を調整し正常な状態に戻し、肩関節、股関節などの各関節の動きを広げ、 全身の筋肉をゆるめ、血流を良くして自然治癒力を向上させるメソッドです。
体幹(体の中心)のブレを調律し、開発する事で、 体の本来持っている内蔵機能を活性化させ、正しい状態にリセットし、 日常生活およびスポーツシーンにおいてのあらゆる動きのベースを作る事が出来ます。
ー 体幹チューニング 理論ー
●身体を調律する
ギターやピアノなど楽器の演奏前には、弦を調節し音を調律(Tuning:チューニング)すると、その楽器の持つ本来の音色を奏でることができます。人間の身体も楽器と同じで、脳から弦にあたる神経回路によって全身に配置された筋肉に指令を出し、身体機能をコントロールしています。この神経回路をつなぐことで、身体を調律することができます。
●なぜ体幹なのか
体幹とは身体の胴体部分を指します。
その中心となるのは、多くの内臓器官が存在する腹部の「腹脳」と呼ばれる部分で、脳(中枢神経)と同じように神経回路を介して全身の筋肉に指令を出し、身体機能をコントロールしています。
実は、この腹脳は、「腹圧」の影響を大きく受けているのです。だからこそ、神経回路でつながっている脳および全身をより良い状態にするために、腹圧を調整して体幹を整えることが重要なのです。
●腹圧への悪影響
「腹圧」は、腹部の筋肉の柔軟性や緊張の度合いと横隔膜の動きによって高まったり、低くなったりします。この高低差が大きいほど、腹部のスペース(腹腔)の許容量が大きくなり、内臓や腹脳が活性化して、本来の機能を発揮しやすくなります。
腹圧は呼吸運動と深く関わっています。
呼吸は無意識下で行う呼吸と意識下で行う呼吸があります。専門的には、それぞれ自律性呼吸と随意性呼吸と言い、どちらの呼吸をコントロールするにも腹筋群と横隔膜を使っているのですが、ほとんどの人は日常生活で無意識に呼吸をしています。
しかし、無意識下で行うという事は、生活習慣の影響を良くも悪くも受けやすく、それが間接的に腹圧へ影響を及ぼし、更には脳及び身体機能へ影響を及ぼします。悪く影響を受けた場合、身体にぶれが生じます。これが、姿勢の悪さや体調不良となって現れます。
●回路をつなぐ
「体幹チューニング」では、独自に開発された種々の手技と呼吸(Breath)を連動させ、腹部の筋肉を無意識下のコントロールから意識下のコントロールへ移行させます。これにより、腹筋の柔軟性が増し、腹圧の高低差を引き出して、許容量を大きくします。連鎖的に、呼吸-脳(Brain)をつなぎ、更に、脳-筋肉(Muscle)の回路をつなぎます。呼吸を介して調節される脳と筋肉の回路を「BBM回路」と呼び、この回路をつなげ、身体に生じたぶれを調律するのが「体幹チューニング」なのです。
(体幹チューニング本部ホームページより)
ギターやピアノなど楽器の演奏前には、弦を調節し音を調律(Tuning:チューニング)すると、その楽器の持つ本来の音色を奏でることができます。人間の身体も楽器と同じで、脳から弦にあたる神経回路によって全身に配置された筋肉に指令を出し、身体機能をコントロールしています。この神経回路をつなぐことで、身体を調律することができます。
●なぜ体幹なのか
体幹とは身体の胴体部分を指します。
その中心となるのは、多くの内臓器官が存在する腹部の「腹脳」と呼ばれる部分で、脳(中枢神経)と同じように神経回路を介して全身の筋肉に指令を出し、身体機能をコントロールしています。
実は、この腹脳は、「腹圧」の影響を大きく受けているのです。だからこそ、神経回路でつながっている脳および全身をより良い状態にするために、腹圧を調整して体幹を整えることが重要なのです。
●腹圧への悪影響
「腹圧」は、腹部の筋肉の柔軟性や緊張の度合いと横隔膜の動きによって高まったり、低くなったりします。この高低差が大きいほど、腹部のスペース(腹腔)の許容量が大きくなり、内臓や腹脳が活性化して、本来の機能を発揮しやすくなります。
腹圧は呼吸運動と深く関わっています。
呼吸は無意識下で行う呼吸と意識下で行う呼吸があります。専門的には、それぞれ自律性呼吸と随意性呼吸と言い、どちらの呼吸をコントロールするにも腹筋群と横隔膜を使っているのですが、ほとんどの人は日常生活で無意識に呼吸をしています。
しかし、無意識下で行うという事は、生活習慣の影響を良くも悪くも受けやすく、それが間接的に腹圧へ影響を及ぼし、更には脳及び身体機能へ影響を及ぼします。悪く影響を受けた場合、身体にぶれが生じます。これが、姿勢の悪さや体調不良となって現れます。
●回路をつなぐ
「体幹チューニング」では、独自に開発された種々の手技と呼吸(Breath)を連動させ、腹部の筋肉を無意識下のコントロールから意識下のコントロールへ移行させます。これにより、腹筋の柔軟性が増し、腹圧の高低差を引き出して、許容量を大きくします。連鎖的に、呼吸-脳(Brain)をつなぎ、更に、脳-筋肉(Muscle)の回路をつなぎます。呼吸を介して調節される脳と筋肉の回路を「BBM回路」と呼び、この回路をつなげ、身体に生じたぶれを調律するのが「体幹チューニング」なのです。
(体幹チューニング本部ホームページより)
専門家による『体幹チューニング』の施術方法としては、まずベッドの上にかまぼこ型の小さなマットを置き、その上に仰向けになって頂いて、マッサージとも整体とも指圧とも違う、オリジナルの“調律—チューニング”を施していきます。 受けて頂けば、施術前と後で、ご自分の体が変化した事を実感して頂けると思います。
この施術方法を、私の20年にわたる臨床経験から、一般の方達がご自分で、しかも短時間で実践出来、その上効果が現れる健康法として、新たにセルフの『体幹チューニング』メソッドを開発致しました。
体には3つのスペース、空間があります。頭—脳、胸—心臓と肺、お腹—内蔵、ですね。この空間を活性化させていくことが大切です。その手段が、昔から言われている腹式呼吸です。ですから、メソッドの基本は腹式呼吸にあります。呼吸に合わせて、様々なポーズで手足を約5分から15分動かすだけで、体を正常な状態に持っていくことが出来ます。
一番重要なポイントはお腹と肩甲骨になります。
Q.肩甲骨もポイントなのですか?
はい。なぜ肩凝りがおこると思いますか。
それは人間が二足歩行になったために、腕がつるされた状態になるからです。
四足歩行の動物達は常に加重をかけて動かしているため、肩が凝りません。
二本足で立った人間は、手は器用に動くようになりましたが、
反面、常に吊るされているので、肩甲骨が硬くなりやすいんです。
すると、胸郭が広がらなくなるので、呼吸が浅くなって腹式呼吸をしづらくなり、
腹圧を高める事が出来なくなります。
また、肩甲骨が硬くなる事によって、猫背になり姿勢が悪くなります。
猫背になるという事は、常にお腹を圧迫しているという事で、また腹圧が落ちます。
お腹と肩甲骨は切っても切りはなせない関係です。
「帯に短し タスキに長し」と言いますが、これは中途半端という意味ですね。
昔の日本人が「帯とタスキ」を大切にしたのは、お腹と肩甲骨が重要だからです。
帯で腹を固定し、タスキをかけて肩甲骨を開いてから閉じることを自然に行っていたのですね。
Q.様々なメソッドで呼吸法の重要性がいわれますが、なかなか身に付きません
呼吸法は大切ですが
「呼吸法が出来るちゃんとした状態になっているか」が、もっと大事です。
腹式呼吸をしなさいと言っても、肩甲骨が硬い人は腹式呼吸にはならない。
つまり、呼吸法をきちんとするに、まずその体を作りましょうという事です。
ヨガをやっても、ピラティスをやっても、腹式呼吸をやってみても、体がブレたり、
精神的に安定しないという人は、みなさんベースが出来ていないからです。
せっかくなさっても効果が出ないのは残念な事ですよね。
Q.ベースを作るためには、一度「施術」を受けた方が良いのでしょうか?
もちろん、施術を受けて下さっても結構ですが、
セルフでも、肩甲骨がゆるんで、体がきちんと出来るようなメソッドにしてあります。
Q.それが各種のポーズなのですね
そうです。
例えば、こうして両手を広げて、頭まで手の平を回しながら持っていく。
高齢の方達にも分かりやすいよう「キラキラ体操」と呼んでいますが、
これは肩甲骨を動かすポーズです。これだけでかなり違います。
Q.ものすごく体が硬い方やご高齢者でも、本当に1回で体感できますか?
『体幹チューング』は基本的に寝て行います。
寝て、ご自身で腹圧の調整をし、肩甲骨をゆるめる体操をいくつか行っていただきます。
もし体が硬くても、どなたでも出来る動作が必ずあるはずです。
Q.ヨガやピラティスとの大きな違いは何でしょう
寝て行う『体幹チューング』では、立った時にまったく違う実感が得られます。
みなさん感想でおっしゃるのは「地に足が着く」状態だと言う事です。
立った時しっかりと足の裏が地面について、垂直に、自然体で立つ事が出来るようになります。
それは「精神的にも落ち着いている」ということになります。
『体幹チューング』では、
体の変化を実感するだけでなく、自分の心持ちの変化も実感していただけるはずです。
Q.体が整うと心も整ってくる?
体はメンタルにも大きな影響を及ぼします。
メンタルコントロールは実感しづらいですが、体から入っていくとよくわかります。
体のブレをなくした本来あるべき姿勢は美しいですよね。
女性ならば、美しい体が自信となりますし、自信を持てばより美しくなっていきます。
Q.この道を志すキッカケを教えて下さい
僕は5歳から武道を志していました。最初は母に勧められた剣道を始めましたが、 防具をつける事に抵抗があり、すぐにやめてしまいました。 幼いながらに「道具を使って強くなっても意味がない」と思ったんです。 幼稚園児の時からそう思っていたのですから、変わっていますよね(笑)。 次に柔道を始めましたが、体が小さかったので、つかまれてすぐ投げられる。 だから「つかませてはいけない!」と思って、空手に切り替えました。
とにかく負けず嫌いで、負ける事が許されない。
あ、勉強で負けるのは何でもなかったんですけどね(笑)。
何かの武道にこだわるのではなく『肉体的にも精神的にも強くなりたい』 との思いだけでした。この『肉体的精神的な強さ』を求めるということが、 今につながっているんでしょう。
Q.それからずっと肉体と精神の強さを追い求めてこられた?
16歳の時には極真空手道場に入門して、1日12時間の稽古をしました。
高校卒業後は自衛隊習志野第一空挺団、落下傘による特殊部隊に入隊。
2年間、文字通り地獄の訓練でしたが、
肉体と共に精神も強くなっていくのが実感出来て楽しかったですね。
除隊後は極真空手本部道場門下生となり、
その後キックボクシングに転向して3年で日本チャンピオンになりました。
この頃は自分の限界を知りたかったので「気絶するまで稽古する日」を決めていました。
大声で叫びながら6時間ぶっ続けでサンドバックを蹴り続ける。
体が限界にくると周りの音が聞こえなくなります。
ふうっと静寂が訪れ、気がつくと天井が見える。気絶ですね(笑)。
10日間水を飲まない「行」もしました。これが一番辛かった。
最後は黄疸で、体が黄色になりました。
こう言ってみると、あまり健康的じゃなかったですね(笑)。
その後、タイで半年修行、さらなる強さを求めて
当時最強だったオランダにも渡りました。
オランダは人体をよく勉強して、科学的なトレーニングをしていました。
僕のように12時間練習なんてしてない。それなのにめちゃくちゃ強い。
根性だけで何かを成し遂げようと言うのは無理だと、ここで学びました。
やっと気がついたんです(笑)。
でも、体を壊してドクターストップ。
ストップがかかった時は死んでもいいと思いました。
もうやる事ないですから。バーンアウトです。
しばらく休みましたが、ずっと体を動かしてきたのでやっぱりまた動きたくなる。
それで、公園で軽く木を蹴ってみた。
すると、現役時代の感覚と違う・・。休んでいる間に技術があがったのです。
『あ、これだ!』という感覚になりました。
木を蹴っている時に『気』の重要性を感じたんです。
それで、もう一度、体と精神の探求をしようと決意しました。
Q.1本の木が教えてくれたのですね
そうです。現役としては闘えないかもしれないけれど、
体の探求は出来るじゃないか、体って面白いなと。
この『体っておもしろい』が発端となり、もっと体のことを勉強しようと、
「トレーナー」「治療」という道に入っていったんです。
この時、呼吸と体の動きを連動させ肉体と精神を高めていくという
「肥田式強健術」に出会いました。これが今の僕のベースになっています。
体幹チューニングも基本は一緒です。
Q.では、肥田式強健術と体幹チューニングの差異はどこでしょう?
臨床経験です。治療院や接骨院での施術はもう20年になります。
その間の経験値でしょうね。肥田式強健術は自分で行う体操で、施術ではないわけです。
それを、僕の中で消化して「施術」に変えていったわけです。
Q.「施術」に変えたものを、再度「セルフ」の形に再構築したものが
「体幹チューニング」と考えてよいのでしょうか
そうです。
Q.そして、たった15分で誰でも出来るシンプルな形に行き着いたのですね
はい。自分の体を極限にまで持っていった経験と、
多くの方への施術の経験があるからこそ「簡単」に出来るんです。
簡単にしないと万人が出来ないじゃないですか。
それこそ、コアな人たちが修行でやっているレベルではなく、
万人が出来なければ意味がないと思うんです。
体と精神がつながっている事を日本人は昔から体感していました。
僕はそれを取り戻したいと思っています。
Q.簡単だけれど、実は武道的なバックボーンもふまえていらっしゃる?
武道は日本の文化です。そして、日本の文化は生活に則したものです。
スポーツは競技で、レコードを競うものですが、生活から生まれた武道はそうではありません。
スポーツと武道は違う。という事は、体の意識も使い方も違うということです。
日本人としての体の使い方をまず身につけることが大切で、
きちんと「自分の体」が出来れば、どのようにも応用が利くのです。
僕は格闘技の選手、世界チャンピオンを何人も育ててきましたが、
ずっと言っているのは、「外国人のマネをするな、日本人には日本人の闘い方があるよ」
と言う事です。「気を読め、間合いを制しろ、マッスルじゃないぞ」と。
そして、気を読むためには自分がブレていたら読めない。だからチューニングが必要なんです。
今、トレーニングの多くは西洋化されたものを取り入れていますが、
それは、あちらの人たちの体や考え方に合うように作られています。
それに早く気がついて欲しいですね。
Q.万人に向けての『体幹チューニング』ですが、まずは日本人のためなのですね
今はみんな「気」が上にあがっていますね。気が上がる、血が上る。そういう状態です。
体の中心が安定していませんから、気だけでなく体もフニャフニャしている。
この図で「気の流れ」を見て下さい。頭は上移動です。気が上がると切れます。
胸は横移動。気が揺れればソワソワと胸騒ぎがします。腹は下移動です。
気が落ち着けば、腹が据わって動じません。
これは『人間力ピラミッド』と言います。
腹は覚悟、胸は努力、頭は知識。今はこれの逆三角形なんですよ。
知識ばかり優先で覚悟がないから、みんなすぐ辞めちゃう。
「腹を決める」ことをしないと何事もダメなんです。
肉体はアンテナです。それをチューニングしなければ、雑音しか受け取れません。
また、魂や精神論を「言うだけ」の人たちは現実世界から逃避しやすいですね。
意識というのは、あまり頭で考えすぎると頭の中に「囚われて」しまいますから。
囚われず、「閃き」に変えて、魂がブレないようにして、そこからもう一度肉体に戻して、
現実社会で実現させましょう。
心の問題を扱う時こそ、体が大事です。肉体をおろそかにしてはいけないんです。
Q.心と体のチューニングを指導出来る方達の育成も始められたそうですね
我々は今、『カラダ調律師』というものを育成しようとしています。
でも、治療院で「マッサージしますか?体幹チューニングやっときますか?」
みたいにはしたくないんですね(笑)。
例えば、カウンセラーの方がカウンセリングを行う際、
まず体幹チューニングをしてボディを整えてからカウンセリングに移る。
そのような使われ方を目指しています。
このように、カウンセリングならば心の扉を開けるために、
子ども達ならば意欲をかきたてるために、ご高齢者ならばもっと使えるような体になるためにと、
様々なシーンでこの『体幹チューニング』を応用して頂ければいいと思っています。
そのためにも、指導員の育成には技術だけではなく、
心と体の連動を真に理解してもらえるよう最新の注意を払わねばならないと思ってます。
Q.これからの目標は何でしょう
『体幹チューニング』で日本人の身体と精神の再生、
日本人の魂を復活させることを目指しています。
誰でも簡単に出来ますので、ラジオ体操に変わる国民体操のようにしたいですし、
欧米の方がなさっても体は変化しますから、日本から発信して、
世界に心と身体の連動を広めていきたいと考えています。
ありがとうございました。
●reviveより
ココロとカラダの連動は、Reviveでも一貫して提案しており、
その実践的な方法として大変興味深くお話を伺った。
すでに運動系の指導をするインストラクター、心の問題を扱うカウンセラーやヒーリングなど、
各ジャンルのプロの方達が応用出来るメソッドでもあると思う。
子どもからお年寄りまで誰でも簡単に出来る事は素晴らしい。
それだけに、指導者の技術と意識の高さが求められるだろう。
「カラダ調律師」の育成に期待したい。
ココロとカラダの連動は、Reviveでも一貫して提案しており、
その実践的な方法として大変興味深くお話を伺った。
すでに運動系の指導をするインストラクター、心の問題を扱うカウンセラーやヒーリングなど、
各ジャンルのプロの方達が応用出来るメソッドでもあると思う。
子どもからお年寄りまで誰でも簡単に出来る事は素晴らしい。
それだけに、指導者の技術と意識の高さが求められるだろう。
「カラダ調律師」の育成に期待したい。